デザイナー巡り メルボルン編 【R. L. Foote Design Studio】
メルボルンを拠点に活動するRyan L. Foote(ライアン・L・フット)氏は、手作りの陶磁器やインテリア小物を扱うデザイン事務所、R. L. Foote Design Studioのデザイナーです。
R. L. Foote Design Studioを見学した際の様子をお届けいたします。
高層ビルが密集したメルボルン中心部(CBD)から車で20分ほど郊外に出たところにある、Clifton Hill(クリフトン ヒル)にR. L. Foote Design Studioがあります。
中心部とは雰囲気が一変し、歴史的建造物としても親しまれているテラスハウスが立ち並ぶ、静かで落ち着いた住宅街です。近くには、メルボルンで最もお洒落でアートなエリアとされるFitzroyもあり、のんびりと散策するのにもぴったりのロケーションです。
メルボルンの電車が走る線路沿いに、赤煉瓦の2階建ての建物が見えてきました。歩道から一歩入ると、見逃すことのないほど存在感のあるスタジオのサインが目に入ってきます。
入り口の大きな扉には、ライアン氏の代表的な釉薬が使われたハンドルが装飾されていて、スタジオに一歩入る前からグッと彼の世界感に引き込まれていきます。
スタジオの中に入ると、素敵な花瓶の隣にフロアマップが描かれた壁が見えます。この壁の一番上に描かれたChocolatesの秘密は、また後ほど。
1階:アトリエ/ワークショップ
吹き抜けになった、開放感のあるスタジオが広がっています。
ここではR. L. Foote Design Studioのセラミック製品が制作されています。彼の活躍は独自のプロジェクトにとどまらず、世界中のレストランやホテル向けにオーダーメイドのセラミック作品を制作するほか、他のアーティストや建築事務所のためのセラミック製品なども手掛け、様々なプロジェクトが生み出して。
見学した当時は、海外ホテルから依頼を受けた特注ランプの制作が進められていました。
スタジオの奥に進むと、釉薬のカラーサンプルが色彩のアーカイブのように壁一面に美しく並べらたスペースが目に飛び込みました。ライアン氏の釉薬づくりの探究心と、オーダーメイドの柔軟さが伝わってくるスペースです。
1階では、ライアン氏本人や選ばれた才能のあるアーティストが講師となり、セラミック、釉薬、彫刻など多岐に渡ったワークショップやクラス、イベントなども開催されています。
2階:ギャラリー/ ショールーム/ Chocolates
階段を上がると数々の作品が展示されたスペースが広がっています。
JAUでも取り扱っているBentoシリーズやCrystalline vaseなど、大きな机や壁に展示されています。作品によって異なりますが、実際にギャラリーに展示されている作品を購入することもできます。
実は、写真に映っているアーチ型の棚がベースになっている特徴的なテーブルは、ライアン氏が自らデザインして作成したテーブルとのこと。クリエイティブな一面がたくさん散りばめられているギャラリーになっています。
スタジオ入り口に書かれていたChocolatesのサインを覚えていますか?
ライアン氏の多彩な才能はセラミック製品のモノづくりにとどまりません。彼は、メルボルン以外に香港にも拠点を置きアート活動をしています。その活動の中でフードアーティストの一面も持っている彼は、独創的なチョコレートをデザインしています。彫刻的な形のチョコレートを手掛けており、香港では数々の賞も受賞しており、ショコラティエとしても注目をされています。
受賞歴もある代表的な彼のチョコレート商品もこのギャラリーでは見ることができます。中身がチョコレートだとは想像できない、パッケージも魅力のひとつです。
R. L. Foote Design Studioは、一般公開されているので、営業日であればいつでも気軽に訪れることができます。メルボルンの新たな楽しみ方として、デザイナー巡りをしてみてはいかがでしょうか。
ライアン・L・フット
R L Foote Design
ライアン・フット氏はメルボルンを拠点とする手作りの陶磁器やインテリア小物を扱うデザイン事務所、RL Foote Design Studioのデザイナーだ。
どの様な形、釉薬、仕上げの器が、食べ物を頂くという行為を単なる「食事」から「経験」へ昇華させるかーシェフの目線から、様々な技法や材料を用いてデザインや釉薬を考え、陶芸という域の境界線の模索。料理に対する情熱を持った彼の独特なデザインは、とあるミシェランシェフからも注目されている。