デザイナーインタビュー Daniel To & Emma Aiston

8/28/2026
Last update: 9/11/2026

ある秋の涼しい日、JAUスタッフのMadokaは、当時、JamFactoryのクリエイティブ・ディレクターを務めていたDanielとEmmaに会うために、南オーストラリア州アデレードの中心部にある非営利の芸術文化施設のJamFactoryを訪ねました。

DANIEL – EMMAは、アデレードを拠点に活動するDaniel ToとEmma Aistonによるデザインデュオ。プロダクト、空間、インダストリアルデザインなど、さまざまなプロジェクトを手がけている彼らは、これまでに、世界的なブランドであるCOSやHAYをはじめ、オーストラリアを代表するローカルブランドであるCoopers Breweryなど、国内外のブランドと幅広いプリジェクトを手がけてきました。

今回、彼らの世界観から生まれたデザインアイテムが日本にやってきました。今回JAU shopに仲間入りしたのは「Lucky Charms」このジャーナルでは、Lucky Charmsについて、さらにDANIEL - EMMAの2人について深掘りしていきます。

DanielとEmma、2人のはじまり

DanielとEmmaのデザインへの情熱は、2人に共通する「もの」への興味や愛情から始まりました。2人ともクリエイティブ業界とは縁のない、仕事熱心な家庭で育ったため、クリエイティブな仕事を目指すことは、自然な選択ではありませんでした。そんな2人を結びつけたのは、好奇心と、アートの授業が好きだったという共通点です。南オーストラリア大学で出会い、共にインダストリアルデザインを学びました。

今、デザインの世界へ進んだ自身の歩みを振り返り、ふたりはアートやクリエイティブとは異なるバックグラウンドを持っていたことを、自分たちの強みだったと考えています。

ー 私たちは、デザイナーとはこうあるべきという先入観をあまり持たず、オープンな気持ちでデザインの世界に入っていきました。

このオープンマインドは、2人のデザインのスタイルを大きく形づくっていきました。2010年にDANIEL - EMMAを設立して以来、JamFactoryのクリエイティブ・ディレクター、自身のアート活動、ブランドとのコラボレーションなど、さまざまな役割を担いながら、2人の活動は進化を続けています。

シンプルで親しみやすい。でも、どこかにちょっとした意外性がある。

デザイン哲学

今回ジャーナルを書くにあたり、インタビューをした中で何度も出てくる言葉がありました。

「just nice」

“nice”という言葉は、とても抽象的で人それぞれ意味が少しずつ異なる言葉です。そんな「nice」という感覚をDanielとEmmaは、2人ならではの表現方法で落とし込んでいます。

一見シンプルに見えるデザインも、実は異なる要素を繊細なバランスで組み合わせています。無機質なフォルムに、柔らかく温かみのあるファブリックを組み合わせたり、日常的な使いやすさに、思いがけない遊び心を加えたり。シンプルな中にも、どこか心に残るデザインが生まれています。


2人のデザイン哲学は、さまざまな作品から読み取れます。
例えば、「Soft Chair」では、硬質なチューブ状のフレームを、思わず目を引くコットンキャンディーピンクで仕上げています。また「Turtle Time Wall Clock」では、日光浴をするカメの姿をしたオブジェが、壁掛け時計という日常的なアイテムとしてデザインされています。

アイディアの源

仕事仲間であり、パートナーでもある2人にとって、新しいデザインのアイデアは、いつ、どこで生まれるかわかりません。

「私たちは、日々の暮らしとデザインの活動が自然につながっているので、アイデアは本当にどこでも、いつでも生まれます。夕食を囲みながら話しているときや、どこかへ旅をしているとき、あるいはスーパーで買い物をするような、ごく当たり前の日常の中でも、どちらかが何かに目を留めて、それがアイデアのきっかけになることがあります。」

旅をすることも2人にとって、共通する大きな楽しみの一つです。旅の中で、あぁ!となることがたくさんあり、お土産を集めるかのように、旅先で出会ったものをデザインのインスピレーションとして持ち帰るそうです。

彼らの作品には、日本、香港や台湾でみられる日常がさりげなく取り入れられ、日常の中に潜む、見過ごされがちなディテールに目を向けています。

たとえば、スーパーに並ぶスライスチーズのパッケージに描かれた印象的なグラフィックや、マクドナルドのソフトクリームが描く渦巻きのフォルム。(具体的には、期間限定で登場したハローキティのストロベリーフレーバーのソフトクリーム)

DanielとEmmaは、そんな何気ない日常の中にある、小さなディテールの魅力を見つけるのが得意なのです。


旅先だけでなく、2人が暮らす故郷のアデレードにも、インスピレーションは自然とあふれています。アデレードの規模は広島と近いと言われ、カフェやワイナリーが日常の風景として街に溶け込むアデレード。歩いているだけでも、街とそこに暮らす人々とのつながりを感じることができます。

2人はこれまで海外で暮らした経験があり、現在も世界中の人々と仕事をしています。それでも、最も大切にしているのは、顔の見える距離で築かれる、アデレードのローカルコミュニティとのつながりです。

「アデレードには、素晴らしいメーカーや職人とのネットワークがあります。彼らと近い距離で一緒に仕事ができることは、私たちの活動にとってとても大切なことです。自分たちのデザインがここアデレードでつくられ、それが世界中へと届けられていく。それは、とても素敵なことだと思っています。」

Lucky Charms by DANIEL - EMMA

JAU shopに初めて迎えるDANIEL - EMMAのアイテムは、「Lucky Charms」シリーズ。

この手仕事でつくられたキーホルダーは、日常の中にある身近なシンボルと、それぞれの人がそこに感じる意味に惹かれたことから生まれたアイテムです。

「チャームやお守りは、幸運や身を守ること、愛や幸せの象徴として、昔から人々の暮らしの中にあります。私たちは、個々の思い入れや大切な思い出が込められたものを、身につけたり、集めたり、誰かに贈ったり、そっと持ち歩いたりできる、小さなアイテムにするというアイデアが気に入りました。」

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